女風インタビュー「女性としての自分」を取り戻す旅 – 産後の夫婦関係から見えてきた本当の絆

結婚生活や育児の中で感じる「女性としての寂しさ」。その解消法として注目される「女性用風俗（女風）」について、28歳の働くママ・高橋美咲さんに率直な思いを語っていただきました。パートナーがいながらも感じる承認欲求、利用することへの葛藤、そして幸せの本質とは何か—。多くの女性が胸の内に秘めている本音に迫ります。

プロフィール

• 名前：高橋 美咲（たかはし みさき）
• 年齢：28歳
• 職業：WEB制作会社のデザイナー（産休から復帰して1年）
• 居住地域：東京都郊外のマンション
• 家族構成：
  • 夫：高橋 誠（31歳）、IT企業のエンジニア
  • 子ども：高橋 琉花（りゅうか）、1歳8ヶ月の女の子
• 結婚年数：4年
• 趣味：料理、写真撮影、インテリア雑貨収集
• 得意なこと：デザイン、色彩センス
• 苦手なこと：人に自分の気持ちを素直に伝えること

私たちの日常 — 表面上は何も問題のない毎日

洋平： 高橋さん、まずは普段の生活について教えていただけますか？

美咲： はい。私たちの朝はだいたい、夫が先に起きて娘の琉花の面倒を見てくれています。私が起きると、すでにリビングでは二人が朝食を取っていて、私のためにコーヒーまで入れてくれているんです。誠は「今日も16時には帰れそうだから、晩御飯の買い物行ってくるよ」なんて言いながら、琉花の口元を拭いてくれたりして…本当に完璧なパパなんですよ。

洋平： 理想的なご主人ですね。

美咲： そうなんです。結婚して4年目になりますが、琉花が生まれてからも育児に積極的で、家事も完璧にこなしてくれます。私の仕事復帰も全面的に応援してくれました。友達からは「旦那さん、半分もらえますか？」って冗談を言われるくらい（笑）。でも…

洋平： でも？

美咲： （少し言いよどみながら）そんな完璧な日常の中で、私はどこか満たされない感覚があるんです。夫婦としての距離感というか…男女としての関係性が薄れていっているように感じて。誠は「みさき、琉花のオムツ替えておいたよ。明日の保育園の準備も終わらせた」って言ってくれるんですけど、私が新しいワンピースを着ていることには全く気づかないんです。髪型を変えても、メイクを頑張っても、「あれ、なんか違う？」とすら言われなくて…。

完璧な夫と眠る寝室での孤独

洋平： スキンシップなどの変化はありましたか？

美咲： （深呼吸して）琉花が生まれる前は、毎晩抱き合って眠っていたんです。今思えば当たり前だったあの感覚が、今は特別なものになってしまいました。産後、体調が戻ってからも、誠から女性としての私への興味は戻ってこなかったんです。

「疲れてるんだろうな」「育児で大変だから気を遣ってくれてるのかな」「私の体型が変わったから…？」って、いろんな理由を考えては自分を納得させようとしていました。でも月に一度あるかないかの夫婦の営みは、まるで義務的なもののように感じられて、終わった後に涙が出そうになることもあります。

洋平： それは辛いですね…。

美咲： 先日、勇気を出して誠の背中に手を回すと、「ごめん、明日早いから…」と言われたんです。その時の胸の痛みは言葉では表現できませんでした。鏡を見ながら「私、もう女性じゃなくなっちゃったのかな」って考える夜が増えました。

女性としての自分を取り戻そうとした試み

洋平： その状況を変えようとする試みはありましたか？

美咲： 産後1年が経ったある日、思い切って美容院に行きました。「バッサリ切ってください」って伝えて、肩まであった髪を耳にかかるくらいのショートボブにしたんです。鏡に映る自分は、久しぶりに「女性」に見えました。

でも家に帰って「どう？」って誠に尋ねても、「あ、切ったの？似合ってるね」っていう一言だけ。心のどこかで期待していた「すごく可愛い」「女らしくなった」という言葉は出てこなかったんです。

そんな中、大学時代の友人・瑠璃子と会ったんですが、彼女は独身でキャリアを積んでいて…。

洋平： その友人の反応はいかがでしたか？

美咲： 瑠璃子は「みさきちゃん、髪切った？めっちゃ似合ってる！若返った感じ！」って言ってくれたんです。その後も「最近痩せた？」「その服、色が似合ってる」と、女性ならではの視点で私の変化に気づいてくれて。

思わず彼女に胸の内を打ち明けちゃったんです。すると瑠璃子は「わかるよ、みんな通る道じゃない？でも、旦那さんに女性として見られなくなったんじゃなくて、あなたが自分自身を女性として見なくなったのかもよ」って。

その言葉が心に刺さって、それから少しずつ「女性としての自分」を取り戻す小さな一歩を踏み出しました。久しぶりにネイルサロンに行ったり、好きだった香水を再び使い始めたり…。

伝えられない本音と日々の葛藤

洋平： ご主人には直接、思いを伝えたことはありましたか？

美咲： （少し俯きながら）「誠、私のこと、どう思ってる？」って聞いてみたことがあります。琉花が寝た後のリビングで、二人でお茶を飲んでいた時です。

誠は「え？急にどうしたの？」って不思議そうな顔をして、「もちろん大好きだよ。家族だし」って言ったんです。その「家族」という言葉が、胸を締め付けました。私が聞きたかったのは、「妻として」ではなく「女性として」どう思っているかだったのに…。でも、それ以上は言葉にできなくて。

洋平： 他に同じような悩みを持つ方を探したりしましたか？

美咲： SNSで「産後レス」「夫婦関係の変化」などのキーワードで検索してみると、同じような悩みを抱えている女性がたくさんいることがわかりました。匿名の掲示板では、「理想的な夫なのに、女として見られなくて辛い」「育児にも協力的で文句ないけど、スキンシップがなくて寂しい」という声があって、一つ一つに深く共感しました。

でも同時に、なぜこんな「贅沢な悩み」で苦しまなければならないのか、という自責の念も強くなってきて…夜中にこっそり泣いたこともあります。子どもにも夫にも恵まれているのに、なぜこんなにも満たされないのか、と。

転機 — 偶然の会話から見えてきた可能性

洋平： 転機はありましたか？

美咲： はい、思わぬところからやってきました。誠の会社の創立記念パーティーに夫婦で参加したときのことです。久しぶりに琉花を実家に預け、お気に入りのワンピースを着て、メイクも丁寧にしました。

会場で誠の同僚と話していると、誠の上司が近づいてきて「高橋くんの奥さんですか？いつも彼、奥さんと娘さんの話ばかりしてますよ」と笑いながら言ったんです。そして「特に最近は『うちの妻が綺麗になって困る』って言ってましたね」って。

私は驚いて誠を見たら、彼は少し照れたように笑っていて…。

洋平： それからどうなりましたか？

美咲： その夜、タクシーの中で思い切って聞いてみたんです。「私のこと、綺麗になったって思ってるの？」って。

誠は少し驚いたような顔をしましたが、すぐに「うん、思ってるよ。この前の髪型も似合ってたし、最近なんか自信持ってる感じがして…すごく魅力的」って言ってくれたんです。

「でも、何も言ってくれなかったじゃん」って言うと、「言わなくても伝わってると思ってた。それに…」と誠は少し間を置いて、「琉花が生まれてから、みさきがすごく母親として成長していくのを見て、なんていうか、神聖な存在になったというか…」って。

洋平： 神聖な存在…？

美咲： （笑いながら）そう、「神聖」って。誠は「変な言い方だけど。尊敬しちゃって、女性として見るのは失礼なんじゃないかって思ってた」って言ったんです。

その言葉に、思わず笑いそうになりました。同時に、胸がじわりと熱くなりました。誠は私のことを見ていないのではなく、むしろ高く評価しすぎていたんだって気づいたんです。

「私は神聖な存在じゃないよ。ただの女性、そしてあなたの妻だよ」って言って、久しぶりに誠の手を握りました。彼もそっと握り返してくれて…。

これからの私たち — 完璧を求めない関係へ

洋平： その後の関係は変わりましたか？

美咲： その夜の会話から、少しずつ私たちの関係は変わり始めました。完全に元通りになったわけではないんです。むしろ、新しい関係を模索している段階かな。

誠は以前より意識して私にスキンシップを取るようになりました。「綺麗だね」「その服似合ってる」といった言葉もかけてくれるようになって。時には少々オーバーな反応で、私を笑わせることもあります（笑）。

洋平： 美咲さん自身の中でも変化がありましたか？

美咲： はい。「女性として見られたい」という欲求は持ちつつも、それだけが自分の価値ではないことに気づきました。母親であり、妻であり、デザイナーであり、そして一人の女性である。それらの側面がすべて私という人間を形作っているんだなって。

実は誠も「みさき、俺からも一つ頼みがあるんだ。たまには褒めてくれないかな。俺も男として見られてるって実感したいんだ」って言ったんです。その言葉に、思わず笑ってしまいました。でも本当は、深く共感していました。承認欲求は誰にでもあるんですよね。

洋平： 最後に、同じような悩みを持つ方へメッセージをお願いします。

美咲： 私たちの間には、まだ解決していない問題もあります。でも以前のように一人で抱え込まずに、少しずつ言葉にしてみるようになりました。

完璧な家族や完璧な夫婦関係を求めるのではなく、お互いの不完全さも含めて受け入れることが、本当の意味での「家族」であり「夫婦」なのかもしれません。

今朝、鏡を見たとき、少し疲れた顔をした女性が映っていました。でも以前のように自分を責めるのではなく、「よく頑張ってるね」と自分に言ってあげることができたんです。そして、その言葉が本当だと思えました。

まだ完全に自信を取り戻したわけではありません。でも、誠も私も完璧ではなくていい。お互いの気持ちを言葉にしながら、一歩ずつ歩いていけばいいんだと思います。そして何より、私は自分が「女性」であることをもう一度誇りに思えるようになりました。それは誰かに認められたからではなく、自分自身でそう決めたからなんです。

「女性用風俗」という選択肢について

洋平： 少し踏み込んだ質問をさせてください。「女性用風俗」、いわゆる「女風」と呼ばれる、男性セラピストに2時間2万円程度を支払って、恋愛感情や寂しさを埋めるようなサービスがあった場合、利用したいと思いますか？

美咲： （少し驚いた表情で）えっ、そういうサービスがあるんですか？（考え込む）正直に答えていいですか？

洋平： ぜひ率直なお考えをお聞かせください。

美咲： （深呼吸して）実は…少し考えてしまいますね。特に以前お話したような、女性として見られない寂しさを感じていた時期だったら、もしかしたら興味を持ったかもしれません。でも実際に利用するとなると…迷いますね。

洋平： どういった点で迷いがありますか？

美咲： まず第一に、やはり罪悪感ですね。誠を裏切るような気持ちになりそうです。たとえ体の関係がないサービスだとしても、精神的な浮気のような感覚はあると思います。それに、「お金を払って疑似恋愛」というのが、なんだか虚しいような…。

でも、正直に言うと、「きれいだね」「魅力的だね」という言葉を、目を見て真剣に言ってくれる人がいたら…それだけで救われる気持ちがあるのも事実です。特に産後の自信を失いがちな時期には。

サービス自体についての考え

洋平： そのようなサービス自体についてはどう感じますか？

美咲： （少し考えて）女性にもそういったニーズがあるのは確かだと思います。男性向けの風俗サービスが当たり前に存在している社会で、女性向けも選択肢としてあっていいんじゃないかな。

ただ、私が気になるのは、そこに「解決」があるのかということです。一時的な癒やしや承認は得られても、根本的な夫婦関係や自己肯定感の問題は解決しないかもしれない。むしろ現実逃避になってしまう危険もありますよね。

洋平： 実際に利用する女性についてはどう思われますか？

美咲： （真剣な表情で）全く非難する気持ちはないです。それぞれの女性に理由があって、選択があって。「寂しい」という感情は、時に本当に苦しいものですから。それを埋める手段として選ぶのは、その人の自由だと思います。

ただ個人的には、その「寂しさ」や「承認欲求」の根本にある問題に向き合うほうが、長期的には幸せになれるのかなと思います。私の場合は、誠との対話でした。もし他の方法で自己肯定感を取り戻せるなら、それも一つの道だと思います。

パートナーシップと個人の幸福のバランス

洋平： もし友人からそういったサービスを利用したいと相談されたら、どのようにアドバイスしますか？

美咲： （少し微笑んで）まず「寂しいんだね」と共感すると思います。そして「なぜ寂しいと感じるのか」を一緒に考えたいですね。パートナーがいる友人なら、私と同じように、コミュニケーションを取ってみることを勧めるかもしれません。

でも最終的には「あなたが幸せになる選択をしていいんだよ」と伝えると思います。人の幸せの形は一つじゃないですから。ただ、一時的な癒しと根本的な解決は違うということは、忘れないでほしいな。

洋平： 美咲さんご自身は、今後そういったサービスを利用する可能性はありますか？

美咲： （笑いながら）今の私は、ないですね。誠との関係が改善してきて、女性としての自分も少しずつ取り戻せてきていますから。でも「絶対にない」とは言いきれないかもしれません。人生何があるかわからないですし。

ただ、もし本当に寂しさを感じるようになったら、まずは誠に正直に伝えることから始めたいです。今までの経験から、言葉にすることの大切さを学びましたから。

最後に

洋平： 最後に、このテーマについて何か付け加えたいことはありますか？

美咲： そうですね…女性の「寂しさ」や「承認欲求」は、もっと社会で語られていいテーマだと思います。「贅沢な悩み」と片付けられがちですが、それは本人にとって本当に苦しいもの。

女性用風俗というサービスが必要とされること自体、多くの女性が抱える「見られたい」「認められたい」という願いの表れなのかもしれませんね。それをどう満たすかは人それぞれですが、自分を責めずに、自分の気持ちに正直になることが大切なんじゃないかなと思います。

洋平： 率直なお話をありがとうございました。

美咲： こちらこそ、こんな難しい質問に答えさせていただいて、少し照れくさいですが…自分自身を見つめ直す機会にもなりました。ありがとうございました。