この記事ではこんな状況に悩んでいるあなたの背中を押します。
- 離婚した
- 離婚相手の荷物が放置されている
- 片付けろと言っても聞かない
- 家を売りたいけど売れない
- 勝手に片付けたらどうなるのか
- 裁判所に訴えたい
- 訴状はどう書けばいいのか

これは私のリアル体験談から書きます。弁護士ではないので、あくまで参考までに。
離婚相手の荷物が残っている 家賃の請求はできるのか【訴状の書き方】
結論としては請求できます。
離婚した方の中には、別れた後に元パートナーの荷物(残置物)が放置されており、回収させることが困難な方も多いと思います。
今回は、私自身が元パートナーの荷物を回収させた経験と、そのためにとった法的措置について書かせていただきます。
また、元パートナーの荷物が私の家を占拠していた期間の家賃を請求するためのルールについても説明します。以上、ご一読ください。
たくさん調べたのですが、どんなにリサーチしても法律事務所のホームページが出てきてしまい、「弁護士に相談しましょう」しかでてきません。ヤフー知恵袋や個人ブログを探しても、ドンピシャの情報がありませんでしたので、書いていきます。
状況説明



まず状況を整理しておきます。
調停離婚にて離婚が成立してます。
仮に日付を令和4年の7月とします。
訴状を作ったのが令和5年の1月とします。
離婚相手の荷物が、放置されています。「残置物(ざんちぶつ)」といいます。
3LDKのマンションの、1部屋を物置として、離婚相手の残置物をすべてまとめました。
つまり1部屋全く使えず、占拠されている状況です。
再三「はやく回収してくれ」と伝えていますが、全く動きが見られません。
勝手に捨ててしまうと、逆に訴えられます。これは「器物損害罪」になってしまうので注意です。
「どうしたらいいんだろうか?」と色々調べていると、これは私の所有物であるマンションの一室を占拠しているため「損害賠償請求」ができることがわかりました。
訴える為には、自分で「訴状」を作成して、裁判所に提出する必要があります。



頑張って訴状を作成してみることにしました!
おおまかにいうとこんな状況です。問題点は、いくら調べても参考になるサイトや、残置物の回収のための訴状の書き方、テンプレートがないということです。なので自分でまとめます。
離婚相手に残置物を回収させる「訴状」の書き方テンプレ



さっそくですが、訴状が誰でも書けるようにテンプレートとしてここに書いておきます。レイアウトはご自身で整えて下さい。
※住所や名前は適当です。
- 原告:あなたの名前です
- 被告:離婚相手の名前です
- 宛先:あなたの住まいを管轄している「簡易裁判所」です
残置物 損害賠償請求の訴状【見本】
訴状
令和5年1月25日
東京簡易裁判所 御中
原告 山田 太郎 印
電話番号 090-1234-5678
【当事者の表示】
〒180-0013
東京都武蔵野市西久保3丁目
原告 山田 太郎
〒180-0021
東京都武蔵野市桜堤1丁目
被告 田中 理恵
損害賠償請求事件
訴訟物の価格 金300,000円
貼用印紙額 金4,000円
第1 請求の趣旨
- 被告は、原告に対し、訴状記載の原告の建物を明け渡せ
- 被告は、原告に対し、金300,000円及び令和4年7月1日から前項の建物明け渡し済みに至るまで1か月50,000円の割合による金員を支払え
- 訴訟費用は被告の負担とする
との判決及び第1項につき仮執行の宣言を求めます。
民事訴訟による審理及び裁判を求めます。
本年、御庁において民事訴訟による審理及び裁判を求めるのは1回目です。
第2 請求の原因
原告は、令和4年7月1日、被告との間で調停離婚をし、被告は別紙残置物リスト記載の残置物を放置したまま退去した者である。
残置物を放置された物件 所在 東京都武蔵野市西久保3丁目 6.0畳の洋室(物件間取り図の斜線部分)
期間 令和4年7月1日〜現在
1 残置物の放置についての損害賠償
専有面積あたりの賃料 1ヶ月 50,000円×建物明け渡し済みに至るまでの期間
1ヶ月50,000円の根拠:住宅情報サイトSUUMOにて、三鷹駅周辺のマンション相場を調査した。駅から徒歩5分〜10分圏内、築10年〜15年のワンルームマンションの家賃相場が50,000円の為、50,000円とした。
2 「残置物を回収するように」と伝えましたが、再三の申立にも応じず回収されません。その後も残置物の撤去をせず、且つ金品の請求を繰り返し、調停離婚成立後、5ヶ月経過した現在も原告の自宅に残置物がある。
3 よって被告は原告の所有物である本件建物を権原なく占有していることになり、不法行為に基づく損害賠償請求権が発生するものとし、三鷹駅周辺のワンルームマンションの相場に応じた賃料相当額、建物明け渡し済みに至るまで1か月60,000円の割合による金員を支払いを求めます。
【添付書類】
甲第1号証 被告とのLINE
甲第2号証 残置物の写真
甲第3号証 残置物のリスト
甲第4号証 家賃相場の情報
甲第5号証 不動産の登記簿謄本
甲第6号証 物件目録
甲第7号証 固定資産評価証明書



訴状はひとまずここで一区切りです。
訴状の中身の解説



ここからは訴状の中身について解説します。
訴訟物の価格について
訴訟物の価格として、金300,000円と書きました。
これは、3LDKのマンションの内、1部屋を占拠されている状態。
つまり、そのマンションの1部屋の価値を計算した金額を書きます。
お住まいのエリアで、ワンルームマンションの家賃相場を調べます。
今回は東京都武蔵野市を例に出してみました。
仮に、ワンルームマンションの1ヶ月の家賃が50,000円だったとします。
調停離婚の成立が令和4年7月1日、訴状の作成が令和5年1月25日だとします。
50,000円×6ヶ月=300,000円なので、訴訟物の価格は300,000円と設定できます。
貼用印紙額
訴訟で求める金額によって、貼り付ける収入印紙の金額が変わります。
詳細は裁判所の公式サイトに載っているので、こちらにて金額と照らし合わせをお願いします。
第1 請求の趣旨
請求の趣旨は、あなたが相手方に求めたい事を端的に書きます。
書き方は1.2.3のように箇条書きにします。
金員や、との判決及び第1項~など普段使わない言葉が出てきますが、コピペでよいです。
- 被告は、原告に対し、訴状記載の原告の建物を明け渡せ
- 被告は、原告に対し、金300,000円及び令和4年7月1日から前項の建物明け渡し済みに至るまで1か月50,000円の割合による金員を支払え
- 訴訟費用は被告の負担とする
残置物回収の場合はこれだけでOKです。



つまり、残置物がゼロになるまで、永遠に家賃の請求をしますよということができます。
長期戦になっても自分が得をする仕組みです。
第2 請求の原因
なぜ訴えようと思ったのか?を書きます。
ここも感情は入れないで、端的に書く事が求められます。
- 離婚が成立した事
- 離婚した日にち
- 残置物があること
- その住所と部屋の詳細
- 期間
これくらい書けばOKです。
家賃相場について
家賃相場を調べる際は、ホームズやスーモなどの賃貸情報サイトを利用すればOKです。
間違えやすいのですが、住宅ローンから換算してはいけません。ローンはあくまで35年とか自分で設定しているだけなので、あくまで周辺の賃貸マンションの相場から換算してください。
値段の「根拠」を求められるので、賃貸情報サイトの画面をスクショして印刷しておきましょう。
添付書類
証拠になるものはすべてスクショして印刷する必要があります。
ラインなどは「メッセージの取り消し」をされてしまうといけないので、都度スクショをする癖をつけておきましょう。
- 甲第5号証 不動産の登記簿謄本
- 甲第6号証 物件目録
- 甲第7号証 固定資産評価証明書
これらについてですが、
- 不動産の登記簿謄本:法務局
- 物件目録:自作
- 固定資産評価証明書:市役所
で、手に入れます。
物件目録は以下のように作成します。
物件目録のテンプレート
物件目録
所在 東京都武蔵野市●●●●●●
建物の名称 ●●●●マンション
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 東京都武蔵野市●●●●●●
建物の名称 ●●●●マンション
種類 居宅
構造 鉄筋コンクリート造1階建
床面積 1階部分 69.96平方メートル
家屋番号や地番などは、固定資産評価証明書や登記簿謄本に記載されています。
ざっと説明しましたが、訴状はこのように自分で作成せうることも可能です。
参考になれば幸いです。